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2021/08/14

下が好きな人々

日本語で「袖の下」という言葉がありますが、これは「賄賂」の隠語。

着物だと、ゆるりとしてて、物を隠しやすいので、袂に金銭やらを隠して渡すのに都合がよかったことでしょう。
でも洋服の袖はきっちり締まってるため、西洋人にとって「袖の下」はピンと来ないのではないかと。

英語では、似た言葉として under the table(こっそりと)があります。
袖の下ではなく、テーブルの下。

特に、「袖の下」と同様、お金の不正取引(賄賂)の意味で使うことが多いようです。
また、「酔いつぶれて」の意味でも使われます。

They paid her under the table so as to avoid taxes.
「課税を逃れるために彼女に袖の下を渡した」
He was under the table by midnight.
「彼は真夜中までに酔いつぶれた」

ちなみに、avoid tax は「(合法的な手段で)税金を逃れる」「節税する」、evade tax は「(違法な手段で)脱税する」。
tax avoidance(租税回避)と tax evasion(脱税)は、まったく別物として定義されます。

でも、袖の下で avoid tax したら、もう合法だと胸を張れないんじゃなかろうか。


ところで、手紙で相手の名前の後に敬意を表すために添える「机下(きか)」という言葉があります。
一般的にはもう使わなくなりましたが、今も医療関係の紹介状などで、「〇〇先生 御机下」のように使われるとか。

机の上に置くほどではないので、机の下にでも置いてください、というへりくだったニュアンスです。

机(テーブル)の下は、フシギな世界。

イングリッシュパーラー - 英語とTOEICとサステナブルなハッピーライフ