よく知られている簡単な単語ほど、いろいろな使い方があって、そのバリエーションの多さに泣けてきます。
たとえば、“be on”。
be on to や、be on for、be on at、be on about などはイディオムになってるし、be on+名詞 の使い方もあったり。
ここでは、他の動詞や名詞を伴わない副詞(または形容詞)の、be on に限定して見てみます。
on の意味は色々ありますが、ざっくり(無理矢理)分けると、
- 【接触】(乗って、身に着けて)
- 【進行・継続】(続けて、行われて、予定通りで)
- 【従事】(従事して、出番で)
Make sure the lid is on.
「蓋がしてあることを確認しなさい」
The lights were all on.
「ライトはすべて点いていた」
「ライトが行われている」という日本語は変なので、訳す時にはちょっと工夫が必要ですが、「点灯している」というイメージはつかめるんじゃないでしょうか。
電源をオンにする、なんて言葉はよく使うし。
また、【進行・継続】は現在のことだけでなく、未来のことも言い、その場合は「(起こる)予定で」「予定通りで」。
We're still on for today.
「今日は予定通りです」
Is tonight's rally still on?
「今夜の集会は予定通り?」
【従事】の意味では、
You're on immediately.
「すぐ出番ですよ」
All right, we're on.
「さあ、始めよう」
ただ、be on だけでは、どの意味かまったく分かりません。実際の会話では、前後関係があってこそで、状況次第です。
他にも、細かく言えば、【好調】(調子がいい)や、【賛成】(賛成で、乗り気で)といったニュアンスでも使われます。日本語の「乗って(ノッて)」と同じですね。
最後に、“You're on.” というフレーズについて。
これは「(その賭け・挑戦に)乗った」や「承知した」と同意を示す言葉ですが、起源はごく最近だとか。
1998~1999年にアメリカの「ニコロデオン」が放映してたTV番組で、司会者と一緒に2人の子供が大人に悪戯をしかける「ドッキリ」系の番組だったようです。
ドッキリが成功する直前に出て行って、みんなで “You're on.” と叫びます。
これが子供たちの間で流行って、誰かに挑戦された際に「乗った」の意味で “You're on.” と言うようになったそうです。