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drink 人 under the table とは? 「テーブルの下」 が意味するもの

under the table が示すモノ

under the table の意味


日本語で「袖の下」という言葉がありますが、これは「賄賂」の隠語。昔は着物だったため、袂がゆるりとしてて、物を隠しやすいので、金銭やらを隠して渡すのに都合がよかったことでしょう。

洋服の袖はきっちり締まってるため、西洋人にとって「袖の下」はピンと来ないのではないかと…。

英語では、似た言い回しで under the table(こっそりと)があります。袖の下ではなく、テーブルの下。「袖の下」と同様、お金の不正取引 「賄賂」の意味で使うことが多いですね。

またもうひとつ、「酔いつぶれて」の意味でも使われます。

  • under the table
    • 「秘密裏に」「こっそりと」
    • 「酔いつぶれて」

「秘密裏に」


トランプのテーブルで不正行為をするイメージです。洋画でよくあるアレ。

通常は副詞句ですが、under-the-table とハイフンでつないで、形容詞として使うことも可能です。

  • They offered him money under the table to change his mind.
    (彼らは彼の考えを変えるために裏で金銭を提供した)
  • If you want to get a good apartment, you may have to give the manager some money under the table.
    (良いアパートを手に入れたいなら、管理人に裏でいくらかのお金を渡さなければならないかもしれない)
  • Because I get paid under the table, no taxes come out of my paycheck.
    (裏で払ってもらうため、給料から税金は引かれない)
  • It was strictly an under-the-table deal.
    (それは完全に裏取引だった)

似た語として underhand があります。副詞では「こっそりと」「秘密裏に」形容詞では「不正な」。こちらは「手の下」なわけですが、もとは「権力下にある」「管理下にある」ことを示したようです。

「秘密裏に」の意味は14世紀半ばからで、「手をひっくり返す」すなわち「持っているものを隠す」から来たのではないか、とのこと。

イギリス英語だと、テーブルからカウンターに変わって、under the counter。テーブルの上やカウンターの上での取引は合法ですが、その下の見えないところでは不正や違法な取引が行われます。

「秘密裏に」を表す語

日本語の「机下」


ちなみに、日本語では「机下(きか)」という、なんだか雅な言葉があります。手紙で相手に敬意を表すために、宛名の横に添えて書く語です。「脇付け(わきづけ)」というもの。

一般的にはもう使わない古い言葉だけれど、今も医療関係の紹介状などで、「〇〇先生 御机下」のように使われます。

机の上に置くほどたいしたものではないので、机の下にでも置いてください、というへりくだったニュアンスです。英語の under the table と真逆の発想なのが面白いですね。


「酔いつぶれて」


under the table の他の意味は、「酔いつぶれて」

どちらが多く酒を飲めるか競って、お互いテーブルに座って飲み比べをすることに由来します。負けた人が酔いつぶれて、床(テーブルの下)に倒れている状況を想像してみてください。

  • Do you remember last night at the bar at all? You were really under the table!
    (昨晩のバーでのことを覚えてる? きみは本当に酔いつぶれていた!)
  • Jed was under the table by midnight.
    (ジェドは真夜中までには酔いつぶれていた)

drink 人 under the table の意味


under the table については、おそらく「酔いつぶれて」だろうと推測できるものの、「drink 人」はどういう意味なのでしょう? 普通、drink の目的語としては「何か飲むもの」が来るのに、なぜ「人」?

どうやらこの drink は、「~を飲み負かす」のようなニュアンスで使われているようです。

drink 人 under the table は「人を飲み負かしてテーブルの下に倒れさせる」「人より多く酒を飲む(飲める)」

実際イディオムとしては、drink の目的語が「飲み物以外の物事」の場合も結構あるとはいえ、「人」になるのはわりとレアケースじゃないでしょうか。

  • She's a tipsy after one shot ― I could definitely drink her under the table.
    (彼女は一杯飲んだら酔っぱらうから、間違いなく彼女より飲める)
  • I've been known to have a few beers, but Lucy can drink me under the table.
    (私がビールを何杯か飲むことは知られているが、ルーシーはさらに飲める)
  • Believe me, she can drink anyone under the table!
    (信じて、彼女は誰よりも飲める!)

drink oneself の用法


drink の直後に「人」が来るフレーズとしては、drink oneself もあります。drink oneself+形容詞drink oneself into/to の形で、「酔って~になる」

特に、常習的に酒を飲んでいたり多量に飲んで、その結果に至る場合です。

  • He had drunk himself unconscious on vodka.
    (彼はウォッカを飲んで意識を失った)
  • His father drank himself to death.
    (彼の父親は酒に溺れて死んだ)
  • She was drinking herself into a stupor.
    (彼女は酒を飲んで意識がもうろうとしていた)

まとめ


「何かの下」というのは、よく「隠された」「秘密の」のニュアンスになりますね。ただ、under the table の「酔いつぶれて」は、そういった比ゆ表現でなく物理です。


ゆるりと英字新聞


英字新聞と言うと、身構えてしまいがちですが、気楽に読めるものもあります。The Japan Times Alpha(ジャパンタイムズアルファ)は、長年のベストセラー。

英語学習者向けに作られているので、読みやすく、初めて英字新聞を読む方にも敷居が低め。リアルタイムのニュースを英語で読むと、「これはこんな英語になるんだ」と新しい発見があって面白いですよ。

(引用・参照元:Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Online Etymology Dictionary)

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