boogie (ブギ) ってどんな意味? 表記は boogey、bogey、bogy?
boogie のいろいろ
昔々、『ハイティーン・ブギ』というマンガ原作の映画がありました。英語タイトル(?)は、Highteen Boogie。
boogie [búgi] とは、名詞だと「ピアノで演奏される、速くて強いリズムのブルース音楽の一種」、boogie-woogie(ブギウギ)の略です。動詞では「速いポップミュージックに合わせて踊る」。
- My wife and I would go for a bit of a boogie to 1980s tunes.
(妻と私は1980年代の曲に合わせて少しブギを踊ったものだ) - You work hard all week, you're entitled to a boogie now and then.
(一週間一生懸命働いて時々ブギを踊っていい) - We boogied away all night long.
(私たちは一晩中ブギを踊った) - At night, a good place to boogie through till sunrise is the Pink Panther Bar.
(夜に日の出まで踊り明かすのに適した場所はピンク・パンサー・バーだ)
boogie の由来
boogie-woogie の起源は不明です。ただ、いくつかの可能性はあり。
シエラレオネの「踊る」を意味する「bogi」から派生したのではないか、あるいは「ドラムを叩く」を意味する「hausa buga」から来たのでは、とも推測されます。
1920年代に、家賃の滞納者が家賃を支払うお金を得るために、ミュージシャンやバンドを雇ってパーティーを開いていました。rent party(レントパーティー)と呼ばれるもので、これが非公式の音楽と結びつけられるようになったそう。
boogie は、OED(オックスフォード英語大辞典)に「レントパーティー」を意味する語として挙がってます。
boogie board とは?
サーフィンで使用する bodyboard(ボディボード 仰向けに寝て使用する短いサーフボード)は、boogie board(ブギーボード)と呼ばれたりもします。
「ブギーボード」の発明者とされるトム・モリーが、ブルース音楽の「ブギウギ」が好きだったことからこの名前が付いたとか。
サーフィンで波乗りする感じが、楽し気なブギウギと通じるのかもしれませんね。
ところがもうひとつ、boogie board は「電子メモパッド」のブランド名でもあります。なぜこの名前になったのか? 調べても分かりませんでした。
ちなみにブギーボードは仕事で使ってましたが、ペーパーレスのメモとして、とても便利です。
boogeyman との関連
ここで気になるのが、boogie と boogeyman は関連しているのか、です。
映画『ハロウィン』に出てくる殺人鬼 boogeyman(ブギーマン)は有名ですね。
一般名詞として、boogeyman [búːgimæn] は「子供をさらうとされる架空の悪霊」のこと。bogeyman [bóugimæ̀n]、bogyman [bóugimæ̀n] の表記もあり、発音も「ボウギー」と変わってきます。
boogeyman という一番馴染みのある表記と発音は、アメリカ英語です。
boogeyman の由来
bogeyman という語は、中期英語の「恐ろしい幽霊」「恐怖」「かかし」を意味する「bugge」または「bogge」から派生した可能性があるとのこと。
これは、小さな子供を食べるクマの形をした想像上の悪魔「boggart」や「bugbear」と関連しているそう。
「ブギウギ」の boogie と似ているものの、boogeyman の boogey はまったく別の語のようです。
boo との関連
ハロウィンのおばけは "Boo!" と言って出てくるので、これまた boo [búː] の由来が気になります。日本語だと「バー!」になるわけですが。
boo の用法は、名詞(または感嘆詞)と動詞があり。
名詞や感嘆詞としては、ひとつには何かが気に入らないことを示すための不満の発声です。日本語でも「ブーブー文句を言う」「ブーイング」と言ったりします。名詞の場合、複数の -s を付けることも可。
そしてもう一つが、誰かを驚かせる発声の boo。ちなみに「いないいないバー」は、peekaboo [píːkəbùː]、イギリス英語では peep-bo [píːpbòu]。イギリス英語だと、発音はやはり「ボウ」です。
boo の由来
15世紀初頭に「大きくてびっくりさせる音を出すのに適した子音と母音の組み合わせ」として、boh が使われました。19世紀初頭には、牛の鳴き声を真似たものとして「嘲笑」を表したそう。
「非難」の表現としては1884年から。
これも、boogie や boogeyman とは直接の関係はなさそうです。
名詞・感嘆詞の boo
- 名詞・感嘆詞の意味:
- 「不満を示す時に上げる声」
- 「驚かせる時に上げる声」
- The speech was greeted with loud boos from the audience.
(スピーチは聴衆から大きなブーイングで迎えられた) - "Boo!" they shouted, "Get off!"
(「ブー!」と彼らは叫んだ。「降りろ!」) - He snuck up behind me and said, "Boo!"
(彼は私の後ろに忍び寄って「ブー!」と言った)
動詞の boo
- 動詞の意味:
- 「非難の声を上げる」
動詞は、自動詞としても他動詞としても使われます。boo off は「ブーイングして~を追い出す」。「出演者をそこから去らせるほどのブーイングをする」ことです。
- The audience booed as she started her speech.
(彼女が演説を始めると聴衆はブーイングした) - They booed him off the stage.
(彼らは彼をステージからブーイングで追い出した) - The audience began booing off the singer after he forgot the words to his song.
(歌手が歌詞を忘れたため観客はブーイングを始めた) - People were booing and throwing things at them.
(人々はブーイングをしたり物を投げたりしていた)
まとめ
boogie と似ている語はいくつかあれど、語源はまったく別らしい…。
取り上げなかったけれど、「ブービー賞」や「ブービー・トラップ」も booby prize、booby trap というちゃんとした英語です。booby [búːbi] 単体では、スラングで「愚かな人」。
boo が付く語はなかなか多いですね。
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(引用・参照元:Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Online Etymology Dictionary)