die from と die of 以外にもある 「死」の状況を表す表現
die of と die from の違い
身近な人の死はとてもとても悲しいけれど、生きている以上避けては通れない出来事です。
亡くなる時は、色々な場合と事情があり、英語の die(死ぬ)という動詞も、様々な亡くなり方を示します。一般的に、die に of や from を付けて表すことが多いのですが、他の前置詞が続くこともあります。
まずは、die of と die from について、もう少し詳しく見ていきましょう。
die of の用法
die of は「老い・病気・飢え」など、自然な原因で、あるいは病気や他の内部的な要因で、体が機能しなくなって亡くなる場合に使われます。
die of の of は because of(~のせいで)の意味で、「死」の直接の原因です。
- The animals died of starvation in the snow.
(動物たちは雪の中で飢え死にした) - An old woman dying of cancer was taken into hospital.
(癌で死にかけている老婦人が病院に運ばれた) - Millions of children are dying of hunger.
(何百万人もの子供たちが飢えで死んでいる) - He died of a heart attack.
(彼は心臓発作で亡くなった) - My grandfather was 100 years old whendied of old age.
(私の祖父は老衰で亡くなった時100歳だった)
ただし、必ずしも本当の「死」を表すだけでなく、比ゆ的な誇張表現として使われたりもします。たとえば、「恥ずかしさで死ぬ」「死にそうなほど恥ずかしい」の意味で、本当の死じゃありません。
- I nearly died of embarrassment.
(恥ずかしさのあまり死にそうになった) - Everyone was dying of laughter during the comedian's performance.
(そのコメディアンのパフォーマンスの間、誰もが笑い転げていた) - When my girlfriend dumped me, I thought I would die of a broken heart.
(彼女に振られた時、失恋で死ぬかと思った) - If that meeting hadn't ended when it did, I would have died of boredom!
(もしあの会議があの時に終わっていなかったら、退屈で死んでいた!)
die from の用法
一方、die from は「怪我・傷」など、外部的な要因の場合です。怪我や傷は、事故だったり毒だったり危害を加えられたりといった、外部的な状況があるはず。
「交通事故」「怪我」「死」のように、直接ではなく、間接的に「死」につながる「おおもとの出来事」があれば、die from になります。
- At least kids don't typically die from chicken pox.
(少なくとも通常は子供は水痘では死なない) - He died from his injuries.
(彼は負傷により死亡した)
特に「病気」の場合、内部的な要因なのか外部的な要因なのか、判断が難しいですね。
通常は、die of のほうが一般的。けれど、たとえば喫煙の結果として、肺がんで亡くなったとすると、「喫煙」「肺がん」「死」なので、die from です。
- Mr. Thomas died from lung cancer caused by smoking.
(トーマス氏は喫煙による肺がんで亡くなった) - Mr. Thomas died of lung cancer.
(トーマス氏は肺がんで亡くなった)
また合併症も、もともとの病気が原因となって別の病気になったり、手術などの外部的な要因で起こるため、die from です。
さらにさらに、「飢え」で死ぬと言っても、starvation(飢餓)や hunger(空腹)を使えば、die of ですが、the lack of food(食糧不足)という「おおもとの出来事」が示されれば、die from。
「食糧不足」「飢え」「死」という経緯を表します。
- The poor woman died of starvation.
(そのかわいそうな女性は飢えで亡くなった) - The poor woman died from the lack of food.
(そのかわいそうな女性は食糧不足で亡くなった)
こんなふうに、使い分けは微妙で曖昧だったりで、深く突き詰めると混乱します…。「怪我・傷」の場合は die from として、判断が付かない場合は die of が無難かもしれません。
加えて、die from も die of と同様に、比ゆ的な意味でも使えます。
- When my girlfriend dumped me, I thought I would die from a broken heart.
(彼女に振られた時、失恋で死ぬかと思った)
die with の用法?
die は幅広くいろいろな前置詞と一緒に使えるので、die with もあります。「~とともに死ぬ」「~を持って死ぬ」が一般的。
- She won't tell anyone; the secret will die with her.
(彼女は誰にも言わない。秘密は彼女とともに死ぬだろう) - He died with dignity.
(彼は尊厳を持って亡くなった)
ところが、こんな例文がCambridgeに挙がってました。
- Do the figures include people who die with Covid-19 but not because of it?
(この数字は新型コロナに感染して亡くなる人を含んでいるが、それが原因ではないのか?)
「病気」で亡くなる場合は die of かと思いきや、die with が使われています。新型コロナで亡くなるのは、die of も die from もありで、実際どちらもよく目にします。
die with は初めて見たけれど…。コロナはウイルス性の病気なので、「ウイルスを持って死亡する」の意味のようです。こんな使い方もありなんですね…。
「ウイルスが原因で死亡する」とは若干ニュアンスが違うため、die of / from ではなく、die with なのでしょう。そのため、上の例文でも「それが原因ではないのか?」とあえて尋ねています。
die in の用法
die of、die from の次によく使われるのは、die in でしょう。die in は「特定の事故や状況で死亡する」。事故や戦争といった状況での「死」や、特定の場所や時期を表すこともあります。
- When the factory was empty, no one died in that gas explosion.
(工場が空だったため、ガス爆発で亡くなった人はいなかった) - They both died in an automobile accident.
(二人とも自動車事故で亡くなった) - One of their children died in infancy.
(彼らの子供の一人は幼少期に亡くなった) - A dog lay dying in the road.
(犬が道路で死にかけていた)
die by の用法
die by は「特定の原因や手段で死亡する」。
- I don't want you to die by gunshot!
(銃で撃たれて死んで欲しくない) - I was shocked to hear that she had died by suicide.
(彼女が自殺したと聞いてショックを受けた) - He died by electrocution.
(彼は感電死した) - She was condemned to die by hanging.
(彼女は絞首刑を宣告された)
die on の用法
これはちょっと風変わりな意味です。die on は「誰かの世話を受けながら、あるいは誰かの目の前で死ぬ」。比ゆ的に、「機械が特に使用中に機能しなくなる」ことも言います。
- Get that medicine over here fast, or this guy's gonna die on me.
(早く薬を持って来てくれ。さもないと、この男は死ぬ) - Patients are going to die on you.
(患者は死ぬだろう) - My phone just died on me. Do you have a charging cord I can borrow?
(携帯が電池切れになった。充電コードを借りられる?) - I was only blocks from the house when my car battery died on me.
(家からほんの数ブロックのところで、車のバッテリーが切れた)
die+名詞 / 形容詞 の用法
まだまだある die。die は前置詞が続くだけでなく、名詞や形容詞が来て「どんな状況での死亡」なのかを示します。
たとえば、名詞なら die a hero(勇ましく死ぬ)など。die like a~(~のように死ぬ)の意味ですね。形容詞では、die young(若くして死ぬ)、die poor(貧しく死ぬ)など。
die+a 形容詞 death の用法
die(死ぬ)と death(死)が重複していて、不思議な感じはするものの、要は「die+名詞」の形と同じなので、「~の死のように死ぬ」です。
- She dies a natural death at home, surrounded by loved ones.
(彼女は愛する人たちに囲まれて自宅で自然死した) - At the end of the play, the main character dies a violent death.
(劇の終わりに主人公は非業の死を遂げる)
まとめ
「死」を表現する言い回しは、これでもかと言うほどたくさんあります。あれこれ調べていたら、なんだか落ち込みかけたけれど、気を取り直していきましょう。
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(引用・参照元:Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Collins Dictionaries, Strategies for Parents, linkschool.co.uk)