confidence man(コンフィデンスマン)は信用できるか否か?
confidence の意味
『コンフィデンスマンJP』という映画やTVドラマもあったので、「コンフィデンスマン」という言葉はもう日本語として浸透してるかもしれませんね。
パソコンの「ウイルス対策ソフト」「アンチウイルスソフト」のことを、省略して「ウイルスソフト」と言ったりもしますが、決してウイルスに感染させるソフトじゃありません。
confidence man(コンフィデンスマン)の confidence は「信頼・信用」です。とはいえ、「信用できる人」かというと、これまた決してそうじゃありません。
そもそも、confidence の意味は大まかに3つ。どの意味で使われているかは、文脈で判断するしかなく、短い1文だけでは判断しがたいものもあったりします。
- confidence:
- 「信頼・信用」
- 「自信・確信」
- 「秘密」
「信頼・信用」
信頼や信用は、「他者を信じて頼ること」「他者を信じて用いること」です。この意味で派生した形容詞はなく、「信頼できる」の意味では、trustworthy(信頼できる)などを使います。
- The president's actions hardly inspire confidence.
(大統領の行動はほとんど信頼を呼び起こさない) - The players all have confidence in their manager.
(選手たちはみな監督を信頼している) - This government has lost the confidence of the public.
(この政府は国民の信用を失った)
「自信・確信」
自信は「自分自身の能力を信じること」。確信は「何かが確かであると信じること」。with confidence は「確信して」「自信を持って」。形容詞は confident(自信にあふれた)。
- People often lose confidence when they are criticized.
(人は批判されるとよく自信を失う) - I didn't have any confidence in myself at school.
(私は学校では自分に自信がなかった) - The course will help you build your confidence and develop your study skills.
(このコースは自信をつけ学習スキルを伸ばすのに役立つ) - They could not say with confidence that he would be able to walk again after the accident.
(事故後、彼が再び歩けるようになるか自信を持って言えなかった) - No one can predict with complete confidence what will happen in the financial markets.
(誰も金融市場で何が起こるか完全に自信を持って予測できない)
「秘密」
フォーマルな「秘密」の意味で、confidence は数えられる名詞にもなります。in confidence は「秘密裏に」「内々で」、take 人 into one's confidence は「人に秘密を話す」。
形容詞は confidential で「秘密の、機密の」。
- They talked endlessly, exchanging confidences.
(彼らは秘密を交換しながら延々と話をした) - Eva told me about their relationship in confidence.
(エヴァは彼らの関係について秘密裏に話した) - She took me into her confidence and told me about the problems she was facing.
(彼女は私に秘密を打ち明け、自分が直面している問題について話した)
con man はどんな人?
confidence man はよく con man(コンマン)と省略され、「信用詐欺師」を意味します。信用できる人どころか、信用してはいけない人。conman と1語表記のほうが多いかも? 複数形なら conmen です。
- The screenplay focuses on the friendship between a dim-witted stud and a conman.
(脚本は愚かな男と詐欺師との友情に焦点を当てている) - The convicted conman tricked the elderly couple into signing over their property to him.
(有罪判決を受けた詐欺師は老夫婦を騙して財産を自分に譲渡させた) - There should be no place in the market for cowboys and conmen.
(市場にはカウボーイや詐欺師の居場所はないはずだ)
正式に「詐欺」として記録されたのは、1849年だとか。ニューヨークでウィリアム・トンプソンが男性から時計を騙し取った事件です。
トンプソンは逮捕され、ニューヨーク・ヘラルド紙はトンプソンが “tricked men by gaining their confidence.”(信頼を得て男たちを騙した)と報じました。
このフレーズが、confidence man(信用詐欺師)という言葉の由来とされています。
con man の別の言い方
いわゆるポリティカル・コレクトネスで、confidence person という表記になるんじゃないかと思ったけれど、調べても confidence person はヒットしませんでした。
confident person だと「自信にあふれた人」「自信家」になっちゃいます。
では、conperson は、というと…。Wiktionary には「架空の人物、特に人工世界に住み人工言語を話すとされる人」と載ってました。一体どこから来た用語なのか?? 詳細不明です。
女性の場合は、con woman(または conwoman)。man を使わない言い方だと、con artist、confidence trickster。
人をだますテクニックは、既にアートなのか…。trickster は「人を騙したり欺いたりする人」。
- 「信用詐欺師」:
- confidence man、con man(conman)
- con artist
- confidence trickster
「信用詐欺」の英語表現
徹底的に confidence という語が使われるため、誤解を招く危険とかないんでしょうか。結構危ないと思うけど…。
confidence game(または con game)はアメリカ英語で、「人の信頼につけ込む詐欺」「信用詐欺」のこと。「信頼できる試合」と勘違いてはだめだめです。イギリス英語では confidence trick。
- 「信用詐欺」:
- confidence game、con game
- confidence trick
- Don't fall for Tony's sad story ― he's known for playing confidence games.
(トニーの悲しい話に騙されるな。彼は信用詐欺をすることで知られている) - They were the innocent victims of an elaborate confidence trick.
(彼らは巧妙に練られた詐欺の無実の犠牲者だった)
con の用法
con はくだけた語で、動詞と名詞として使われます。
動詞は「(人)を信用させてだます」「(物)をだまし取る」。起源は19世紀後半、「信用詐欺」などの confidence の略語です。cheat(~をだます)が類義語。
動詞の場合
- I was conned into buying a useless car.
(私はだまされて役に立たない車を買った) - Thieves conned him out of his life savings.
(泥棒が彼から一生分の貯金をだまし取った) - He managed to con £20 out of them.
(彼は彼らから20ポンドをだまし取った)
名詞の場合
con は confidence の con なら「詐欺」の意味ですが、略語が con になる語は他にいくつもあります。たとえば、convict(囚人)も con、 convention(大会)も con。
「詐欺」の意味では、a や 複数の -s も付けられます。
- The scheme was all a big con.
(その計画はすべて大きな詐欺だった) - He needed them alive to pull off his long con.
(長期にわたる詐欺を成功させるには彼らを生かしておく必要があった) - Short cons only take minutes or seconds.
(短い詐欺は数分または数秒しかかからない)
まとめ
confidence は「信頼」から「詐欺」まで幅広く。いや、幅広すぎでは??
ちなみに、時々目にする pros and cons というフレーズは「賛成と反対」の意味で、cons はラテン語の contra(反対)から来てます。con 多すぎ。
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(引用・参照元:Oxford Learner's Dictionaries, The Free Dictionary, Cambridge Dictionary, LDOCE, Collins Dictionaries, BUST, Wiktionary, The Idioms)